インプラント治療の上部構造(人工歯)で使用される「セラミック」ってどんな素材?
2025/05/22


「インプラントって金属のネジみたいなもの?」と思っている方は多いかもしれません。

見えている“歯”の部分は「上部構造(人工歯)」と呼ばれ、素材によって見た目や使い心地に違いが出てきます。

今回は、インプラントの上部構造に使用される「セラミック」の特徴や種類、選ばれる理由について解説します。

■インプラントの「上部構造」とは?

インプラントは、以下3つのパーツから構成されています。

  • インプラント体(人工歯根):顎の骨に埋め込む土台
  • アバットメント:人工歯根と人工歯をつなぐ中間パーツ
  • 上部構造(人工歯):見た目の歯として機能する部分

このうち「上部構造」に使われる素材がセラミックやジルコニアです。どのような素材を選ぶかによって、見た目・耐久性・噛み心地などが異なります。

■セラミック素材の種類と違い

インプラントで使われるセラミックは、以下のような種類があります。

◎オールセラミック

すべてがセラミックでできた被せ物で、透明感が高く、見た目の美しさを重視したい前歯の治療に適しています。金属を一切使用していないため、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみのリスクがありません。

◎ジルコニア

「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるほどの硬さを誇り、耐久性に非常に優れた素材です。強い噛む力にも耐えられるため、奥歯などの治療にも適しています。審美性よりも強度を重視する部位におすすめです。

ジルコニアはやや不透明な仕上がりになることがありますが、下記でご紹介する「ジルコニアセラミック」を選択することで自然な見た目に近づけることもできます。

◎ジルコニアセラミック

内側にジルコニア、表面に審美性の高いセラミックを重ねた二層構造の素材です。強度と美しさのバランスがよく、前歯から奥歯まで幅広く対応可能。天然歯に近い透明感を出したいけれど強度も妥協したくない、という方に向いています。

◎ハイブリッドセラミック

セラミックとレジン(歯科用プラスチック)を混ぜた素材です。費用を抑えられる反面、変色やすり減り、破損のリスクがあり、長期的な安定性はやや劣ります。短期的な使用や仮歯として利用されることもあります。

◎メタルボンド

内側に金属、外側にセラミックを使用した強度重視の人工歯。特に強い力がかかる奥歯に向いています。ただし、歯ぐきの黒ずみや金属アレルギーの懸念があるため、前歯や見た目重視の方には不向きなこともあります。

それぞれにメリット・注意点があるため、歯科医と相談しながら、ご自身に合った素材を選ぶことが大切です。

■セラミックが選ばれる理由とは

セラミックは陶器のような素材で、透明感・耐久性・汚れにくさが評価されています。

◎審美性が高く、見た目が自然

セラミックは天然歯に近い透明感と光沢があり、色調の調整も細かくできるため、周囲の歯となじむ美しい仕上がりになります。
特に前歯のように見た目が気になる部分には、セラミックの自然な見た目が強みとなります。

◎むし歯になりにくい

セラミックは表面が滑らかで、汚れや細菌が付着しにくい性質があります。さらに吸水性がないため、細菌の温床になりにくく、むし歯や歯周病のリスクを抑えやすい点もメリットです。

◎生体親和性が高い

オールセラミックやジルコニアなど、金属を使用しない素材は体との相性がよく、金属アレルギーのリスクをほとんど心配せずに使用できます。
また、経年劣化や腐食も起こりにくいため、安心して長く使える素材とされています。

◎歯ぐきが黒ずみにくい

銀歯など金属の被せ物は、経年で金属イオンが溶け出し、歯ぐきが黒ずむことがあります(メタルタトゥー)。
セラミックであればそうした変色の心配がなく、長期間きれいな見た目を保てます。

■セラミック素材はインプラントの仕上がりを左右する

インプラント治療の仕上がりは、人工歯に使う素材によって印象が大きく変わってきます。

なかでもセラミックは、見た目・耐久性・衛生面のバランスがよく、メリットの多い素材のひとつです。

ただし、噛み合わせの強さや治療する部位、ご予算などによって、選ぶべき素材は異なります。

「自分に合う素材がわからない」という方は、まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。

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