インプラントで抜歯が必要になるケースとは?抜歯の痛みや治療法を解説
2024/10/04


「インプラント治療で抜歯は本当に必要なの?」「抜歯のリスクや長期的な影響が心配…」と思っていませんか?

実は、インプラント治療では通常、抜歯が必要となります。これは、新しい人工の歯根を埋め込むためのスペースを確保するためです。

一方で、状況によっては抜歯を避けられる可能性もあります。そこで今回は、インプラント治療における抜歯の必要性や、場合によっては抜歯を避ける方法について解説します。

この記事を読むことで、インプラント治療と抜歯についての正しい知識を得られ、自分に最適な選択ができるようになります。

インプラント治療を検討中の方や、歯科医師から抜歯を勧められている方は、ぜひ参考にしてください。

1.インプラント治療では基本的に抜歯が必要

そもそもインプラント治療とは、歯茎に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、アバットメントを介して人工歯を取り付けることで、天然の歯のような審美性と機能性を実現する治療法です。

歯が少しでも残っている部分には人工歯根を埋め込めないため、インプラント治療の過程で抜歯する必要が出てきます。

そして、インプラント治療で抜歯が必要になるのは、「治療してもその歯を残せなかったり、周囲の歯に悪影響があったりするケース」です。後に詳しく解説しますが、虫歯や歯周病などが原因でインプラントが必要になる方の多くが、上記の「抜歯が必要なケース」に該当します。

一方で、インプラント以外の治療が可能な歯の場合は、無理に抜歯する必要はありません。インプラント治療を検討されている方は、抜歯を前提に治療を進めるのか、インプラント以外の治療にするのか、歯科医師とよく相談しましょう。

2.インプラント治療で抜歯が必要になる3つのケース

インプラント治療で抜歯が必要となるケースは、主に以下の3つです。

  • 重度の虫歯の場合
  • 進行した歯周病の場合
  • 歯が折れたり欠けたりした場合

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1.重度の虫歯の場合

重度の虫歯により歯の大部分が失われると、通常の治療では歯を残すのが難しくなります。このような状態では、歯を抜いてインプラントを入れる方が良い結果につながることがあります。

インプラントにより、見た目も噛む機能も自然な歯に近い状態を取り戻せるでしょう。

2-2.進行した歯周病の場合

歯周病が進行すると、表面上は問題なさそうに見える歯も、実際には歯根が細菌に侵されていることが多いです。そのため、歯周病を放置することで健康な隣の歯にも感染が広がるリスクがあり、抜歯してインプラント治療を進めることで、周囲の歯を清潔に保つ必要があります。

2-3.歯が折れたり欠けたりした場合

事故などで歯が折れたり、大きく欠けたりすることがあります。特に歯の根まで傷ついている場合、その歯を抜いてインプラントを入れる方が長い目で見ると良い結果につながる可能性が高いです。

インプラントは見た目が自然な仕上がりになるため、前歯などが損傷した場合に特に役立ちます。

3.【インプラント治療別】抜歯のタイミング

インプラント治療で抜歯のタイミングは、治療の成功に大きく影響します。抜歯の方法は、大きく分けて2つあります。

  • 即時埋入法
  • 待時埋入法

それぞれの特徴をやメリット・デメリットをくわしく説明していきます。

3-1.即時埋入法とは

即時埋入法は歯を抜いたらすぐにインプラントを入れる方法です。すぐにインプラントを入れる分治療期間が短くなりますが、難しい技術が必要です。

3-1-1.即時埋入法のメリット・デメリット

即時埋入法のメリットは、治療期間の短縮と、歯を抜いた直後の良好な骨の状態を活かせる点です。

また、歯を抜いた部分の形が変わりにくくなります。

ただし、菌が入るリスクの上昇や、難しい技術が必要なため、対応できない歯科医師もいるというデメリットもある治療法です。

3-2.待時埋入法とは

待時埋入法は、歯を抜いてから数ヶ月待ってからインプラントを入れます。

待時埋入法は時間がかかりますが、骨や歯ぐきが回復するのを待てるのが特徴です。

3-2-1.待時埋入法のメリット・デメリット

待時埋入法のメリットは、患部に菌が入るリスクの低下と、骨や歯ぐきの状態をよく確認できる点です。顎の骨や歯ぐきが傷んでいても対応可能です。

一方デメリットとしては、治療期間の長期化と、歯を抜いた部分の骨が減ってしまう可能性があげられます。

3-3.抜歯からインプラント埋入までの流れ・期間

歯を抜いてからインプラントを入れるまでの流れは、方法によって異なります。

一般的な流れは以下のとおりです。

ステップ即時埋入法待時埋入法期間
1歯を抜く歯を抜く
2骨の状態を確認する骨の状態を確認する
3インプラントを入れる
4傷を治す2〜3か月
5インプラントを入れる
6骨とインプラントがくっつく骨とインプラントがくっつく約3〜6か月
7人工の歯を付ける人工の歯を付ける

待時埋入法では、歯を抜いてから2〜3か月の治癒期間を設けます。

どちらの方法を選ぶかは、患者さんの口の状態や希望に合わせて決めます。

歯科医師とよく相談し、それぞれの方法の良い点と悪い点を考えながら、最適な選択をすることが大切です。

4.インプラント治療の抜歯時の痛みはどの程度?

インプラント治療で抜歯を行う際、痛みがどのくらいあるのか不安ですよね。抜歯手術中の痛みと抜歯後の痛みについてそれぞれ説明します。

4-1.インプラントの抜歯手術の痛み

抜歯手術中は、麻酔をするので痛みをほとんど感じません。歯科医師は、抜歯時の痛みを最小限に抑えるよう努めています。

手術中に違和感を感じることはありますが、我慢するほどの痛みを感じることはないでしょう。

4-2.インプラントの抜歯後の痛み

抜歯後、麻酔が切れると痛みを感じ始めることがあります。この痛みは数日間続くことが多いですが、人によって程度は様々です。

多くの場合、市販の痛み止めで対処できる程度なので、あまり心配する必要はありません。痛みが強かったり、長引いたりする場合は、遠慮せずに歯科医師に相談してください。

抜歯後の回復のスピードは人それぞれですが、1週間程度で普段の生活に戻れるようになります。

5.インプラント治療での抜歯後に注意すべきこと

抜歯後のケアは、インプラント治療の成功に大きく影響します。以下の点に注意しましょう。

注意点具体的な対策
痛みを和らげる・歯科医師の指示に従い痛み止めを服用する
・柔らかい食べ物を選び、傷口への刺激を避ける
腫れを抑える・患部を適度に冷やす(15〜20分おきに5分程度)
・タオルで包んだ冷却パックを使用する
安静を保つ・激しい運動や汗をかく行為を控える
・なるべく横になって血流を抑える
飲酒を避ける・アルコールは血管を拡張させ、出血や感染リスクを高めるため控える
口腔衛生を維持する・抗菌性マウスウォッシュでうがいをする
・柔らかい歯ブラシで優しくブラッシングする
・痛みが強くならない程度に行う

インプラント治療後の抜歯による痛みや腫れを和らげられます。

関連記事:インプラント治療後の正しい歯磨き方法とは?歯磨き粉の選び方も紹介

6.まとめ

今回は「インプラント治療で歯を抜く必要があるのか」や「歯を抜くタイミングや気をつけること」について説明しました。

インプラント治療では、人工歯根を埋入することから、元の天然な歯を抜歯する必要があります。治療しても残すことができない歯や周囲の健康な歯に悪影響を与える歯がある場合、インプラント治療が選択され、抜歯することになることが多いです。

ですが、治療できる歯であれば無理に抜歯する必要はありません。歯を抜く必要があるかどうか、歯科医師とよく相談し決断をしましょう。

やまもと歯科・矯正歯科では、経験豊富な医師が最新設備によって、患者様一人一人の状態に合わせた適切なインプラント治療が可能です。インプラントに関するご相談も無料で承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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