インプラントにしたら口臭が気になる!原因と対策を解説
2024/04/23


インプラント治療をし、自分の歯と変わらない使用感に満足している方も多いでしょう。

しかし、治療前にはわからなかったインプラント治療後のトラブルに悩み始めている方もいるのではないでしょうか。

たとえば、「インプラント治療後の口臭が気になる」という悩みはよく聞く話です。口臭は自分では気づきにくいため、指摘されるまで気づかなかった方も少なくありません。

そこでこの記事ではインプラント治療後の口臭について原因と対策を解説します。どうしてインプラントにすると口臭が発生するのか、原因がわかれば対策もしやすいです。きちんと原因となる事項を把握し、自身で対策していきましょう。

インプラント治療をしてから口臭が気になる方、周囲の方に指摘された方などはぜひ最後までご覧ください。

1.インプラント治療後に口臭が発生する原因

インプラント治療後に口臭が発生する原因は大きく三つです。

  • 磨き残しがある
  • ネジが緩んでいる
  • インプラント周囲炎になっている

これらの原因は自分だけで判断できるものではありません。そのため最終的には歯科医院で診断してもらう必要があります。それぞれの原因について解説していきます。

1-1.磨き残しがある

口臭の主な原因は磨き残しです。これはインプラント治療を受けているかいないかに関わらず口臭の原因となる事項です。

ただ、インプラント治療をすると、もともとある自然歯と人工歯の間に隙間や段差ができやすく、そこには汚れ(プラーク)がたまりやすいです。プラークをかき出せないまま時間が経過すると、細菌が増殖します。

プラークや歯石に発生する細菌は口臭の原因となる硫化水素やメチルメルカプタンなどのガスを発生させます。プラークや歯石は放置しているとどんどん汚れが溜まりやすくなりますので注意が必要です。

自分では歯磨きを問題なくできているつもりでも、磨き残しが出てしまうケースは少なくありません。癖のない正しい磨き方で歯磨きをする必要があります。歯科医院では正しい歯磨きのやり方やフロスなどのメンテナンス方法について丁寧に説明してくれますので相談すると良いでしょう。インプラントをしたあとの歯磨き粉については以下で解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:インプラントにフッ素入り歯磨き粉はOK?フッ素がインプラントに与える影響

1-2.ネジが緩んでいる

インプラントは歯茎に人工歯がそのまま埋め込まれているわけではありません。インプラント体と呼ばれる人工の歯根を歯茎に埋め込み、その上からセラミックなどの人工歯を被せ流という構造です。人工歯根と人工歯はアバットメントと呼ばれるネジを締めて繋いでおり、インプラント治療時はこのネジをきっちり締めますが、治療が終わり時間が経過するにつれてネジが緩んでくる場合があります。

ネジが緩んでくると人工歯根と人工歯の間に隙間ができ、その隙間は汚れが溜まりやすい場所となることで、汚れが蓄積されて口臭の原因であるプラークや歯石が発生します。

少しの隙間でも汚れは少しずつ溜まっていきます。汚れの溜まりやすい場所を作らないよう、ネジが緩んでいる場合はすぐに歯科医院で対処してもらう必要があります。

1-3.インプラント周囲炎になっている

インプラント治療後にインプラント周囲炎を発症すると、口臭の原因となることがあります。

インプラント周囲炎になると歯茎が腫れたり、血が出たり、ひどい場合は膿が出ることもあります。この膿や出血が口臭の原因で、治療をしない限り自己メンテナンスでは口臭改善できません。また、インプラント周囲炎は口臭だけでなくインプラントそのものをダメにしてしまう場合もあります。

まずはインプラント周囲炎にならないよう予防することが大切ですが、もしなってしまった場合はすぐに歯科医院にて指示を仰ぎましょう。

2.インプラント以外が口臭の原因になっている場合も

口臭の原因がすべてインプラント治療によるものとは限りません。お口のトラブルはインプラント治療をしていてもいなくても発生します。

ここからはインプラント以外の口臭の原因について解説します。自分自身で当てはまるものがないか確認してみましょう。

2-1.虫歯

虫歯があると口臭が発生します。その理由は三つあります。

  • 虫歯に食べかすが溜まるため
  • 歯の神経が腐敗するため
  • 歯の根元が膿むため

虫歯を放置していると歯に穴があいてきます。この穴には食べかすが溜まりやすくなり、虫歯菌はどんどん繁殖します。虫歯が進行すると歯が削られ大きな穴となり、最終的には神経に到達します。虫歯が神経まで進むと痛みも強くなるでしょう。このとき、虫歯菌により神経の腐敗が進みます。神経が腐敗すると特有のガスが発生し、口臭につながります。

また、虫歯の進行で膿が発生する場合もあります。膿は強いにおいを放つため、口臭に直接的に繋がります。

虫歯があると感じたときは、すぐに歯科医院にて治療をしてもらいましょう。また、虫歯を早期発見するためにも、定期的な検査を受けるべきです。

2-2.舌の汚れ

実は口臭の原因の多くは舌の汚れだといわれています。口内には細菌が多く存在し、食べカスなどを分解してくれます。分解の際に発生する揮発性硫黄化合物が、口臭の主な原因です。

このガスのほとんどは舌にある舌苔から発生します。年齢を重ねると舌の動きが鈍くなったり、唾液の分泌が少なくなるため舌苔がつきやすくなることで口臭が強くなるのです。

そのため、舌磨きによって舌をきれいにすると口臭も改善されます。

2-3.唾液量の減少

唾液には口内の清潔に保つ役割があります。虫歯を予防したり、汚れを落としたりと重要な存在です。本来無臭の唾液ですが、分泌量が低下し口内が乾燥すると口臭が発生します。このように唾液量と口臭には関係があるのです。

本来は1日あたり1.5リットルの唾液が分泌されますが、さまざまな要因から唾液量が減少する場合もあります。加齢やアルコールの摂取、タバコ、薬の副作用などが要因です。健康的な方であってもホルモンバランスの崩れも唾液量が少なくなりますので注意が必要です。

よく噛んで食事をしたり、唾液腺マッサージをすると唾液の分泌を促すことができますので意識してみましょう。

2-4.その他の病気

口臭の原因が、口内とは関係のない病気で発生するケースもあります。鼻やのどの病気、肺などの呼吸器系の病気、胃腸などの消化器系の病気など原因はさまざまです。

ただし、口臭の約90%は口内に原因があります。別の病気を疑う前にお口のトラブルを改善すれば口臭もなくなるケースがほとんどです。お口のトラブルが改善しても口臭が気になる場合は、他の病気が原因である可能性が高いため、医師に相談してみましょう。

3.口臭セルフチェック方法

口臭は自分では気づきにくいものです。他の人から指摘されてはじめて自覚する方も少なくありません。そこで、口臭のセルフチェック方法を三つご紹介します。

簡単にできるものから口臭を数値化して詳しく知る方法までご紹介しますので気になる方は試してください。

3-1.袋やコップを使って確認

自宅にある袋やコップで口臭のセルフチェックが簡単にできます。

やり方はコップや袋に息を吹き込み、においを嗅ぐだけです。においがきついなを感じるようであれば他人から見ても口臭が発生している可能性が高いです。このとき、大きな袋やコップを使用してしまうとにおいがわかりにくいため、できるだけ小さい袋やコップを用意するようにしましょう。

注意点として、鼻炎がある方や花粉症の方はにおいがわかりにくくなっている可能性があります。自信がない方は家族などに確認してもらうと良いでしょう。

3-2.デンタルフロスの臭いを確認

デンタルフロスを使用してお口のメンテナンスをしている方もいるのではないでしょうか。デンタルフロスを使用して口臭のセルフチェックができます。

通常、デンタルフロスは歯と歯の間の汚れや歯茎の下の汚れをかき出す道具です。そこで、かき出したフロスのにおいを嗅ぐと口臭が発生しているかわかります。もし、においがするようであれば歯と歯の間に汚れが溜まっており、口臭が発生していることになります。

また、こまめにデンタルフロスをすると汚れがつきにくく口臭も少なくなり、口内のメンテナンスに効果的です。日頃から使用してみてください。

3-3.口臭測定器で確認

自分の口臭がどのくらいなのか数値として知りたい場合は、口臭測定器の使う方法もあります。口臭測定器は口臭の原因である硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどのガスの測定をして数値化する機械です。

歯科医院にて取り扱いされているので、相談してみると良いでしょう。また、市販で売られている口臭測定器もあります。日頃からチェックしたい方であれば自宅用に購入も可能です。

4.インプラントが原因の口臭対策

これまでインプラント治療後に口臭が発生する原因について解説してきましたが、インプラント後に自分自身でできる口臭対策もあります。今回は以下3つの対策を解説していきます。

  • 正しいブラッシング方法を身につける
  • 定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける
  • インプラント周囲炎の治療

それぞれみていきましょう。

4-1.正しいブラッシング方法を身につける

口臭の原因である口内の汚れは、正しいブラッシングで対策できます。なかには「毎日歯磨きしているのに口臭がする!」なんて方もいるでしょう。それは正しいブラッシングができていない可能性が高いです。

インプラントの場合は、自然歯と異なり段差ができているケースが多いです。その段差に汚れが溜まってしまうため、細かくブラシを動かして汚れをかき出す必要があります。

また、歯ブラシだけでのメンテナンスでは不十分なケースが多いです。どうしても歯と歯の間には汚れが溜まりやすいため、フロスを使用して汚れを落とすようにしましょう。

4-2.定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

自宅でできるセルフメンテナンスは口臭対策に有効ですが、それだけでは汚れを落としきれていない場合が多いです。そのため、定期的な歯科医院でのメンテナンスも必要です。

歯科医院の専用の機器を使用すると汚れやプラークを落とせます。また、ネジの緩みやインプラント周囲炎は自分で診断できません。歯科医院で定期的に診察を受けていれば早期発見と処置が可能です。

4-3.インプラント周囲炎の治療

メンテナンスだけではインプラント周囲炎などの病気は治せません。口臭の原因がインプラント周囲炎の場合はきちんと治療をする必要があるでしょう。

もし、インプラント周囲炎まで症状が進んでいなくても血が出たり、歯茎が腫れたりと炎症を起こしている場合でも口臭が発生します。そのためすぐに治療の計画を立てる必要があります。

専門的な治療と正確な指示を仰ぐために、歯科医院を受診するようにしましょう。

5.まとめ

インプラント治療が口臭の原因となっている場合について解説しました。

磨き残しやインプラント周囲炎、ネジの緩みなど原因はさまざまあり、自分ではわからないケースが多いです。また、インプラント以外に原因があることもありますので定期的に歯科医院を受診し、原因を追求する必要があります。

口臭のセルフチェックも可能です。自分ではわかりにくい口臭をチェックし、お口のメンテナンスに意識を向けるようにしましょう。

やまもと歯科・矯正歯科では、経験豊富な医師が最新設備によって、患者様一人一人の状態に合わせた適切なインプラント治療が可能です。インプラントに関するご相談も無料で承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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