「インプラントをしたら歯茎が黒くなるって聞いたことがあるけど本当?」「インプランをしたら歯茎が黒くなったんだけど、原因は何?」と気になったことはありませんか?
実際、インプラントがきっかけで歯茎が黒くなることはあります。そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。
この記事を読むことで、インプラントを含む歯茎が黒くなる原因を理解し、防止することが可能です。すでにインプラントを受けられた方はもちろん、これから受けたいと考えている方もぜひ最後までご覧ください。
インプラント治療後に歯茎が黒くなったと感じるのには、いくつかの理由があります。ここでは、考えられる理由として以下の6つの原因をそれぞれ解説していきます。
歯茎に炎症が生じると、インプラント周辺の歯茎の色が変化することがあります。炎症によって歯茎への血流量が増加し、その結果、歯茎が赤みを帯びた色調に変化するのです。インプラント治療後に歯茎の炎症をを長期間放置することで、最終的に歯茎の色が黒ずんで見えるようになってしまう可能性があります。
インプラント周辺の歯茎に炎症が起きている場合は、早めに歯科医院で診察を受け、適切な処置を受けることが大切です。
歯茎が黒く見える原因の一つに、インプラントを構成するパーツが透けて見えていることが挙げられます。
インプラントは、上部構造・アバットメント・インプラント体の3つのパーツで構成されています。インプラント治療後に何らかの理由で歯肉が退縮すると、アバットメントやインプラント体の歯茎に埋め込まれている部分が露出することがあるのです。そして見た目でパーツが露出していると気づかない場合、歯茎が黒くなったと感じてしまうのです。
インプラント治療後に歯肉退縮が起こる主な原因は、インプラント周囲炎です。
インプラント周囲炎とは、インプラントを支える周囲の組織に炎症が生じる疾患のこと。歯周病と症状が類似していますが、インプラント周囲炎は歯周病の約3倍のスピードで進行するといわれており、重症化のリスクが高いのが特徴です。
初期段階では自覚症状に乏しく、インプラント治療後のセルフケアやメンテナンスを怠ると、インプラントと歯茎の境目に細菌が侵入し、気づかないうちに炎症が進行します。炎症が悪化すると、歯茎からの出血、腫れ、膿みなどの症状が現れ、歯茎が赤黒く変色してしまうのです。さらに、インプラント周囲炎が進行すると歯肉が退縮し、インプラント体が露出することで、歯茎が黒ずんで見える原因にもなります。
インプラント治療後は、口腔内の衛生状態を良好に保つ必要があります。適切なブラッシングを怠ると、口腔内の細菌が増殖しやすくなるためです。増殖した細菌が口腔内のタンパク質や糖分と反応することで、黒色の色素が生成される可能性があり、歯や歯茎が黒ずんで見える原因の一つとなります。
そのためインプラント治療を受けた方は、丁寧に歯磨きをし定期的な歯科医院でのメンテナンスを受けることで、口腔内の衛生状態を良好に保ち、歯茎の変色を予防することが大切です。
インプラントに使われている金属が色移りすると、歯茎が黒ずんで見える場合があります。これは、金属アレルギーがある場合や、金属成分の過剰な溶出が起こることが原因です。
しかし、インプラント治療後に適切なアフターケアと定期的な検査を受けることで、金属が色移りするリスクを大幅に軽減することができます。インプラント治療を受けた方は、歯科医院でのケアを怠らないようにしましょう。
インプラントと金属アレルギーの関係については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:金属アレルギーがあってもインプラントは可能!その理由や注意点を解説
インプラントの埋入位置に誤りがある場合、人工歯と歯肉の境界部分が黒く見えることがあります。
インプラント治療において、人工歯根とアバットメントの金属部分は通常、歯茎の中に埋入されています。しかし埋入が正しくおこなえていない場合、金属部分が露出していまい歯茎が黒く見えてしまうのです。
インプラント治療は審美性が高いことから選択される方が多いため、埋入位置に誤りがある状態はインプラント治療の失敗ともいえるでしょう。インプラントを埋入し直す再手術が必要となります。
ここまでは、インプラントに焦点を当てた解説をしてきました。ですが、歯茎が黒くなる原因はインプラントだけじゃないんです。どのような原因があるのか見ていきましょう。
メラニン色素は黄赤色・黒褐色の色素です。肌や髪の毛、瞳に含まれ、それらを紫外線から守る役割があります。このメラニン色素が歯茎に沈着することで、歯茎が黒ずむことがあります。メラニン色素の沈着には、以下のような原因が考えられます。
これらの刺激が多い場合、メラニン色素が歯茎内部で過剰に生成されます。通常の健康な歯茎ではターンオーバーによってメラニンが排出されますが、ターンオーバーが正常に機能しなかったり、歯磨きの際に強くこすり過ぎたりすることで、メラニン色素が沈着してしまうのです。
歯のホワイトニングやクリーニングを定期的におこなっている人でも、歯茎までケアが行き届いていない場合があります。メラニン色素による歯茎の黒ずみは、歯肉ピーリングによって改善することができるので、気になる方は歯科医院で相談してみましょう。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯茎への血流を悪化させます。その結果、歯茎が黒く見えるようになるのです。
さらに、タバコの有害物質から歯茎を守るために、メラニン色素が過剰に生成されることで、歯茎の色が黒ずむこともあります。喫煙習慣を改善するには、禁煙に取り組むことが最も効果的な方法です。時間はかかりますが、禁煙を続けることで歯茎の色は徐々に元の状態に戻っていきます。
また、喫煙により血流が悪化するとインプラント治療の失敗リスクが高まります。喫煙はインプラント治療にも悪影響を及ぼすため、注意が必要です。
金属の被せ物が原因で歯茎が黒くなる場合があります。これは、被せ物から溶出した金属イオンが歯茎に沈着する現象で、メタルタトゥーと呼ばれています。特に、保険診療で頻繁に使用される銀歯は、メタルタトゥーを引き起こしやすい金属の一つです。メタルタトゥーが気になる場合は、被せ物を除去した上で、レーザー治療を受けるのが一般的な対処法です。
インプラント治療では、主にチタンやセラミックが使用されるため、金属イオンの溶出で歯茎が黒ずむリスクは低いといえます。
歯周病は、日本人が歯を失う原因として最も多いもので、30代では3人に2人が罹患しているともいわれる疾患です。歯周病が進行すると、歯茎からの出血、腫れ、排膿などの症状が現れ、炎症によって歯茎が赤黒く変色することがあります。これが、歯茎が黒く見える原因の一つとなるのです。
また、歯垢と出血が混ざり合うことで、歯茎の中に黒い歯石が蓄積することもあります。この歯石は歯磨きでは除去できないため、歯科医院で専門的なクリーニングを受けなければいけません。
歯茎の黒ずみは、日頃から気をつけることで防止できる可能性があります。今回は、主に以下4つの防止法を解説していきます。
インプラント治療後の歯茎の黒ずみを防ぐには、定期的な歯科検診が欠かせません。歯周病やインプラント周囲炎など初期段階では自覚症状に乏しいことが多いため、定期検診で早期発見をしてもらうことが重要です。
また、定期検診では、歯科医師によるクリーニングでインプラント周囲の歯石を除去でき、歯茎の健康維持につながります。歯磨きだけでは届きにくい部分のケアになるため、歯茎の黒ずみやインプラントのトラブルを予防できます。
インプラント治療を受けた方は、定期検診を活用し、常に清潔な口腔内を保つよう心がけましょう。
歯科医院での定期検診と並行して、自宅でのセルフケアも歯茎の黒ずみ予防には欠かせません。
歯ブラシによる適切な歯磨きの方法を身につけると同時に、歯間ブラシやデンタルフロスなどの口腔ケア用品も活用しましょう。
インプラント治療後は、正しい方法で歯磨きをしてください。歯ブラシを使って、インプラント周囲を含むすべての歯を丁寧に磨くことが大切です。
歯磨きの際は、歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに振動させるようにして磨きましょう。また、歯ブラシの毛先が開いてしまった場合は、新しいものに交換することも忘れずに。正しく歯磨きを続けることで、インプラント周囲の歯垢や食べかすを効果的に除去し、歯茎の黒ずみを防げます。歯磨き後は口腔内を十分にすすぎ、食べかすや歯磨き粉を取り除きましょう。
また、喫煙や過度なコーヒー・紅茶の摂取は、歯茎の変色を引き起こす可能性があるため、控えめにすることをおすすめします。インプラント後の歯磨き粉については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:インプラントにフッ素入り歯磨き粉はOK?フッ素がインプラントに与える影響
歯ブラシだけでは届きにくい歯間部分の清掃には、フロスやインターデンタルブラシが役立ちます。特に、インプラントと天然歯の間は、食べかすが溜まりやすく、歯周病やインプラント周囲炎のリスクが高くなります。これらの部分を清潔に保つことで、歯茎の黒ずみを予防できます。
フロスを使用する際は、歯間に適度な力で入れ、歯の表面に沿ってゆっくりと上下に動かします。インターデンタルブラシの場合は、歯間のスペースに合ったサイズのものを選び、ブラシを歯間に挿入して、やさしく前後に動かすようにしましょう。
食事後は口内に食べかすが残りやすいため、うがいや歯磨きを忘れずに。食べかすが長時間口腔内に留まると、細菌の繁殖を促し、歯周病やインプラント周囲炎のリスクを高めます。そのため食事後はできるだけ早めに口をすすぎ、歯磨きをしてください。
外出先で歯磨きができない場合は、水やお茶でうがいをすることで口腔内をきれいにできます。食事後のケアを習慣化することで、歯茎の黒ずみを未然に防げます。
アルコールの過剰摂取は、口腔内の細菌増殖を促進し、炎症のリスクを高めます。アルコールは口腔内の乾燥を引き起こし、唾液の分泌を抑制するため、細菌が繁殖しやすい環境を作り出すためです。結果、歯周病やインプラント周囲炎などのリスクを高め、歯茎の黒ずみにつながる可能性があります。
また、アルコールは歯茎の血流を悪化させ、組織の修復能力を低下させる作用があり、歯茎の健康状態に悪影響を及ぼします。
インプラント治療を受けた方や、歯茎の黒ずみが気になる方は、飲酒量を減らすことで口腔内の環境を改善し、歯茎の黒ずみを抑えられるでしょう。
インプラント治療をおこなったら、禁煙を心がけてください。タバコに含まれるニコチンや他の有害物質は歯茎の血流を悪化させ、メラニン色素の沈着を促進するため、歯茎が黒ずむ原因となります。
また喫煙は、歯周病やインプラント周囲炎のリスクも高めるんです。禁煙によって、口腔内の環境と健康状態の改善につながります。
インプラントを受けた方は、インプラント治療後のケアが足りなかったり、インプラント体の埋入位置にミスがあったりすることで、歯茎が黒くなったと感じることがあります。そのため、治療後は定期的な歯科検診には必ず通い、日常からケアを怠らないようにしましょう。
また、インプラントではなく日常のケアやメタルタトゥーを起こしたりすることで、歯茎が黒くなる可能性もあります。歯茎が黒くなったと感じたときは、まずは歯科医師へ相談し、原因を調べてみてもらってください。
やまもと歯科・矯正歯科では、経験豊富な医師が最新設備によって、患者様一人一人の状態に合わせた適切なインプラント治療が可能です。ご相談も無料で承っていますので、お気軽にお問い合わせください。