
歯を失ったとき、どの治療を選ぶか悩む方は多いでしょう。インプラント、ブリッジ、入れ歯にはそれぞれメリット・デメリットがあり、自分のライフスタイルに合った治療法を選ぶことが大切です。
今回は、歯を失ったまま放置するリスクや、各治療法の違いについて詳しく解説します。
■抜歯後の歯の治療法を比較!インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い
抜糸後の歯の治療法は以下の3通りあります。
- インプラント
- ブリッジ
- 入れ歯
それぞれについて特徴を見ていきましょう。
◎インプラントの特徴とメリット・注意点
インプラントは、人工歯根を顎の骨に埋め込む治療法です。
メリット
- 天然の歯と同じように噛める
- 隣の歯を削る必要がない
- 顎の骨が痩せるのを防げる
- 見た目が自然で美しい
デメリット
- 外科手術が必要
- 保険適用外となることが多く費用が高い
- 治療期間が数か月かかる
天然歯のようにしっかり噛めることが最大のメリットですが、費用面や治療期間も考慮して選ぶことが重要です。
〇オールオン4・6(All-on-4、All-on-6)とは?歯がない方向けのインプラント治療
オールオンフォーとは、4本、または6本のインプラントで片顎12本の人工歯を支える治療法です。
通常のインプラントより本数が少なく、一般的に手術当日に仮歯まで入れることも可能なため、比較的短期間でしっかり噛めるようになります。
また、顎の骨が十分な部分を狙ってインプラントを埋入できるため、顎の骨が少ない場合に行う骨造成が必要ない場合があります。
◎ブリッジの特徴
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、連結した人工歯をかぶせる治療法です。
メリット
- 短期間で治療が完了する(約1〜2か月)
- 手術が不要で負担が少ない
- 保険適用が可能(ただし素材に制限あり)
デメリット
- 両隣の健康な歯を削る必要がある
- 支えとなる歯に負担がかかり、将来的に再治療が必要となることもある
- 抜けた部分の骨が痩せる可能性がある
健康な歯を削ることに注意が必要な治療法ですが、手術が不要なため、患者さんへの負担が少ないです。
◎入れ歯の特徴
入れ歯は、取り外し可能な義歯で、部分入れ歯と総入れ歯に分けられます。
高齢になると歯を失う方も増え、75歳以上では約3割※が総入れ歯を使用しているとのデータもあります。
※厚生労働省e-ヘルスネット「歯の喪失の実態」
メリット
- 治療が比較的簡単で手術不要
- 保険適用で費用が抑えられる
- 取り外して手入れができる
デメリット
- 噛む力が弱く、硬いものが食べにくい場合がある
- 違和感を感じることもあり、慣れるまで時間がかかる
- 顎の骨が痩せやすい
手術に抵抗がある方や、費用を抑えたい方に適した治療法です。
■歯がない時の治療法を選ぶポイント
「インプラント・ブリッジ・入れ歯のどれがいいのか分からない」と悩まれる方は多いです。
治療法を選ぶ際は、それぞれの特徴とライフスタイルを考慮することが大切です。
◎見た目や噛む力を重視する場合
インプラントはしっかり顎の骨に固定されるため、ずれたり取れたりすることなく噛めるのが特徴です。ブリッジも見た目が自然で違和感が少ないですが、支えとなる歯を削る必要があります。
◎手術を避けたい場合
ブリッジや入れ歯は外科的な処置を必要とせず、比較的短期間で治療を終えられます。ただし、支えとなる歯の負担や装着時の違和感などにも考慮が必要です。
◎費用やメンテナンスを考慮する場合
インプラントは初期費用がかかりますが、毎日取り外して洗浄する必要がない・安定感・耐久性があることから、長期的に使用しやすい治療法です。ブリッジや入れ歯は保険適用のものもあり、費用を抑えることができます。
■歯がないまま放置するとどうなる?リスクを解説
歯を失ったまま放置すると、見た目だけでなく健康にも影響を及ぼします。
周囲の歯が移動してしまうことで噛み合わせが悪くなったり、それが原因で頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。また、噛んだ時に力がかからないため、顎の骨が痩せてしまうこともあります。
歯が抜けたまま放置するリスクや悪影響については、次回のブログで詳しく解説予定です。
■抜歯後の治療は放置せず、自分に合う方法を選びましょう
歯がない状態を放置すると、噛みにくさや歯並びの変化、骨のやせ細りなど、さまざまな問題が起こることがあります。
インプラント、ブリッジ、入れ歯にはそれぞれメリット・デメリットがあり、ご自身に合った治療法を選ぶことが大切です。
しっかり噛めることは、食事の楽しみや健康にもつながります。
「自分にはどの治療法が合っているのか」「費用やメンテナンスが心配…」など、不安があれば遠慮なくご相談ください。