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インプラントは「第二の永久歯」とも言われ、長期間使用できる治療方法でもあります。
適切にメンテナンスを続ければ10年以上、場合によっては20年以上長持ちすることもありますが、ケアを怠ると寿命は一気に短くなってしまいます。
今回は、治療後に起こりやすいトラブルやメンテナンスの方法、通院の目安についてわかりやすくご紹介します。
■インプラントはどれくらい持つのか
インプラントの寿命は一般的に10〜15年といわれています。
ただし、適切なケアを続けている方では20年以上問題なく使えているケースも少なくありません。
一方で、歯みがき不足や定期検診の中断があると、不具合が出るリスクが高まります。
インプラントの寿命は治療そのものよりもメンテナンスに大きく左右されるのです。
■インプラント治療後に起こりやすいトラブル
インプラントは天然の歯と違い、歯の根っこを覆う「歯根膜」というクッションのような組織がありません。
そのため、噛み合わせの強い力や細菌感染に対してややデリケートな一面があります。
とくに注意したいのが、次のようなトラブルです。
インプラント周囲炎
歯ぐきや骨が炎症を起こす病気で、いわばインプラント版の歯周病です。
自覚症状が出にくく、気づいたときには骨が溶けていたということも。放置すると、インプラントの抜去が必要になることもあります。
補綴物の破損
長く使っていると、インプラントの上にある人工歯が割れ・欠け・取れてしまったり、内部のネジが緩んでくることがあります。
これらは定期的なチェックで早めに対応できることが多いです。
噛み合わせの不調
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は要注意です。
強い力がかかり続けると、骨やインプラント本体に負担がかかり、寿命を縮める原因になります。
こうしたトラブルを防ぐには、治療後の生活習慣と定期的なチェックが欠かせません。
■メンテナンスが寿命を左右する理由
インプラントを長持ちさせる最大のポイントは「早期発見」と「予防」です。
数ヵ月に一度、歯科医院でメンテナンスを受けていれば、炎症のサインや噛み合わせのズレも早期発見・早期治療が行えます。
毎日のセルフケアに加えて、プロによるチェックを習慣にすることで、インプラントはより長く安定して使える状態を保てます。
■自宅でできるインプラントのメンテナンス
インプラントのケアは、毎日の積み重ねが基本です。
特に、以下のポイントを意識してみてください。
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インプラントの周りや歯ぐきとの境目をやさしく丁寧に磨く
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歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間の汚れをしっかり除去する
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バランスの良い食生活や十分な睡眠で、歯ぐきの健康を保つ
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喫煙はインプラントの定着や治癒に悪影響があるため、控えるようにする
「人工の歯だからむし歯にならない」という油断は禁物です。
インプラントそのものはむし歯になりませんが、周囲の歯ぐきに炎症が起こると寿命を縮めてしまいます。
清潔に保つことが、長持ちの秘訣です。
■歯科医院で行うインプラントのメンテナンス
自宅のケアだけでは落としきれない汚れや問題は、歯科医院での定期チェックでカバーします。以下のような内容が一般的です。
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インプラントや周囲の清掃(歯石・細菌の除去)
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レントゲンやプローブによる骨や歯ぐきの状態チェック
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ネジのゆるみや、被せ物の破損の確認
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噛み合わせの調整
こうした検査やクリーニングを数ヵ月に一度行うことで、見えないトラブルを早期に発見し、再発や悪化を防げます。
■インプラントの通院頻度の目安
治療直後の1年間は、3ヵ月に1回の検診が望ましいとされています。
その後、安定していれば4〜6ヵ月ごとに調整していくのが一般的です。
以下に該当する方は、短い間隔での受診が必要になることもあります。
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喫煙習慣がある
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糖尿病や全身疾患がある
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歯周病の既往がある
通院の間隔は、年齢や口腔内の状態によって変わるため、担当の歯科医師と相談しながら決めていきましょう。
■インプラントを長く快適に使っていただくために
インプラントは適切なメンテナンスを続けることで、長期にわたって快適に使える治療です。反対に、セルフケアや通院を怠ると、不具合や再治療が必要になることもあります。
毎日の歯みがきや生活習慣を見直すとともに、歯科医院での定期的なチェックを習慣にしていきましょう。
兵庫県たつの市にある当院、やまもと歯科・矯正歯科では、インプラントのメンテナンスに特化したフロアで、専任の歯科衛生士が治療後のインプラントの状態をチェックし、調整やクリーニングを行います。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。