
前回の記事では、それぞれの治療法の基本的な特徴と違いを解説しました。
今回は一歩踏み込んで、オールオン4(6・8)とインプラントオーバーデンチャーのメリット・デメリットを詳しく比較します。
「自分にはどちらが合っているのかわからない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
▶前回の記事はこちら
オールオン4とオーバーデンチャーの違いとは?特徴と比較でわかる治療の選び方
■オールオン4(6・8)のメリット・デメリット
オールオン4は、4本のインプラントで片顎すべての人工歯を支える治療法です。まずは、メリットとデメリットをそれぞれ確認していきましょう。
オールオン4のメリット
主な利点として、骨の状態などの条件を満たした場合、手術当日に仮歯が入る「即時荷重」が可能な点が挙げられます。
歯がない期間を短く抑えやすく、治療直後から食事や会話を再開しやすいのが特徴です。
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固定式のため取り外す手間がなく、天然歯に近い噛み心地が得られる
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骨が十分にある部分を狙ってインプラントを斜めに埋入できる場合があるため、骨造成なしで治療できるケースが多い
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口蓋を覆わない設計により、総入れ歯特有の違和感や味覚への影響を抑えやすい
なお、オールオン6・オールオン8は埋入本数を増やすことで、より安定した噛み合わせを目指す治療法です。上顎など骨が柔らかい部位において、長期的な安定性を高める目的で選択されることがあります。
オールオン4のデメリット
一体型の人工歯を装着する構造上、健康な歯が残っている場合でも抜歯が必要になるケースがあります。
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自由診療のため費用負担が大きくなりやすい
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自分で取り外しての清掃ができない
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インプラント周囲炎を予防するため、歯科医院での定期的なメンテナンスが重要となる
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対応できる歯科医院が限られている
なお、費用は医療費控除の対象となるため、確定申告により費用の負担を軽減できる可能性があります。
■インプラントオーバーデンチャーのメリット・デメリット
インプラントオーバーデンチャーは、2〜4本のインプラントを支えにして入れ歯を固定する治療法です。オールオン4とは異なる特徴があるため、違いを見比べてみましょう。
オーバーデンチャーのメリット
埋入するインプラントの数が少ないケースもあり、オールオン4よりも費用や身体的負担を抑えやすい利点があります。
現在使用中の総入れ歯を活用できるケースもあり、その場合は入れ歯の作製費も抑えられます。
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自分で取り外して清掃でき、お口の中を衛生的に保ちやすい
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将来的に介護が必要になった際、介助者が入れ歯を外してケアしやすい
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骨の吸収が進んだ部分を避けて埋入しやすく、骨量が少ない方にも適用範囲が広い
オーバーデンチャーのデメリット
オーバーデンチャーは入れ歯をベースとした治療です。そのため、総入れ歯と比べると改善しますが、固定式のオールオン4ほどの回復は見込めないとされています。
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義歯床(歯肉を覆うプラスチック部分)が口蓋を覆うため、嘔吐反射が出やすい方には不向きな場合がある
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毎日の着脱の手間がかかる
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アタッチメント部品の摩耗により、定期的な交換コストが発生する可能性がある
■メリット・デメリットを理解して納得のいく治療選択を
オールオン4は、固定式で天然歯に近い噛み心地と高い審美性を持つ治療法です。インプラントオーバーデンチャーは、費用を抑えつつ入れ歯の安定性を向上させ、清掃のしやすさも兼ね備えています。
どちらにも一長一短があり、患者さん一人ひとりの状態によって適切な選択は異なります。それぞれの特徴を客観的に理解したうえで、担当医師とじっくり相談してみてください。
やまもと歯科・矯正歯科では、患者さんのお口の状態やご希望に合わせた治療をご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
