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インプラントの通院回数と期間|仕事や家族の予定と両立できる?

目次

インプラントの通院回数と期間|仕事や家族の予定と両立できる?

勤務表と家族の予定を見ながら、治療の日程を考えるために


7ヵ月後に家族の大切な行事がある。勤務表は月ごとに決まり、親の通院の付き添いも続く。そんな中で奥歯を抜き、インプラントを候補に挙げた方が知りたいのは、手術の日だけでなく「全部で何回、何ヵ月通うのか」ではないでしょうか。


この記事では、相談から人工歯の装着、その後の定期管理までを段階ごとに分け、来院する日と間隔が空く期間の目安を整理します。骨造成や事前治療で予定が変わる理由と、相談時に確認したい質問もあわせてお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 相談から人工歯の装着までは5〜9回程度が目安ですが、骨の状態や治療内容で異なります。
  • 骨造成や抜歯後の治癒待ち、歯周病などの事前治療で、通院回数や期間が増えることがあります。
  • 勤務や家族の予定を担当医に伝え、手術・術後診察・型取りの日程と装着後の定期管理を確認しましょう。

インプラントは人工歯が入るまで何回通い、どのくらいかかる?

インプラントは人工歯が入るまで何回通い、どのくらいかかる?

骨造成などの追加処置がない一般的な流れでも、相談から人工歯の装着までには骨の状態などによって一人ひとり異なる期間がかかり、その間に段階ごとの来院が数回ずつ入ります。毎週通い続けるわけではありません。来院する日と、骨の治りを待って間隔が空く期間が交互にやってきます。


相談・精密検査・治療計画で確認すること


最初の段階は、相談・検査・計画の説明で1〜3回ほどの来院が一つの目安です。口の状態やご希望を伺い、歯科用CTで骨の厚みや神経の位置を立体的に確認します。抜歯して間もない場合は、抜いた部位の骨の治り具合も埋入時期を決める材料になります1。


一般には、相談の段階で話を伺い、歯科用CTと口腔内スキャナー(歯型をデジタルで読み取る装置)の情報を合わせて計画を説明する場合があります。当院への相談も含め、相談したからといって、その場で治療を決める必要はありません。


埋入手術の当日と術後の診察は別の日として数える


手術当日のほかに、傷の状態を確かめる診察や抜糸で1〜2回ほど来院するのが一般的な例です。手術直後は腫れや痛み、出血が出る場合があります。インプラント治療で起こりうる主なリスク・副作用には、次のようなものがあります。


  • 術後の痛み・腫れ・出血、皮膚に出る内出血(青あざ)
  • 傷口からの細菌感染
  • 下顎の神経の近くを処置した場合の、唇やあごのしびれ・感覚の鈍さ
  • 上顎の奥歯の処置で、上顎洞(鼻の横の空洞)に炎症が起こること
  • インプラントが骨と結合しない場合の撤去・再手術
  • 装着後のインプラント周囲炎(周りの歯ぐきや骨の炎症)、人工歯の欠けやねじのゆるみ

持病や服用中のお薬、喫煙の有無によってリスクの程度は変わるため、事前に担当医へお伝えください。歯ぐきの切開を小さく抑える方法では、術後の負担が軽い傾向も報告されています2。


仕事を休む可能性は、手術当日だけで判断しないことをおすすめします。翌日に立ち仕事があるか、親の通院付き添いが重なる週かどうかも含めて担当医に伝えると、予定が組みやすくなります。術後の診察回数は、本数や処置内容によって変わります。


骨との結合を待つ間隔と、型取りから人工歯の装着まで


手術後は、インプラントと顎の骨が結合するまで一定の治癒期間を設けることが多く、その長さや人工歯をかぶせる時期は骨の状態を見て判断されます。この間は頻繁に通うのではなく、経過確認の来院が入る程度です。


結合を確認したあとは型取り、人工歯の装着と進み、ここで1〜3回ほど来院します。治癒期間中に仮歯を入れるか、歯のない期間をどう過ごすかは、治療計画の段階で確かめておきましょう。


通常の流れ・骨造成あり・事前治療ありの通院回数を見渡す


ケース別の目安を一覧にしました。いずれも一般的な例で、実際の回数は診査後に決まります。


ケース治療中の来院の目安期間の目安増える来院
通常の流れ5〜9回程度骨の状態などで個人差あり―
骨造成あり通常の流れ+数回通常の流れより長くなることも造成処置の日・術後確認
事前治療あり通常の流れ+治療回数分事前治療の期間が上乗せ歯周病・むし歯の処置

骨造成のあとは骨が育つのを待つ期間が加わり、埋入を同時に行えるかどうかでも予定は変わります1。


ポイント

確定した総回数は、診断のあとで初めてわかります。人工歯が入ったあとも定期管理が続くため、治療中の回数とは分けて考えておきましょう。


抜歯後や骨造成が必要なとき、通院期間はどう変わる?

抜歯後や骨造成が必要なとき、通院期間はどう変わる?

抜歯した部位の治り方や骨の量によって、来院日と待つ期間は増えることもあれば、処置をまとめられることもあります。どちらになるかは診査で決まるため、早い段階で見通しを聞いておくと予定を立てやすくなります。


抜歯した日に埋入するか、治癒を待つか


抜歯と同じ日に埋入する「即時埋入」、歯ぐきの治りを数週間ほど待つ「早期埋入」、骨の治りを待ってからの「待時埋入」があり、来院日と待機期間はそれぞれ異なります。抜歯後に骨の形を保つ処置(リッジプリザベーション)をしてから埋入する方法と即時埋入を比べた研究もあり、どちらにも向く条件があります1。


当院への相談に限らず、抜歯した部位の骨や歯ぐきの状態を見て進め方を検討することが大切です。早く埋入すれば人工歯も早く入る、とは限りません。骨の安定を待つ期間は別に必要になるためです。


上顎の骨が少ない場合と、骨造成後の待機期間


上顎は骨がやわらかめで、奥歯の上には上顎洞(鼻の横にある空洞)があるため、骨の高さや空洞までの距離を確かめる必要があります。難しさは一律ではなく、診査結果によって判断が分かれます。


骨が足りない場合は、自家骨や人工骨補填材を用いて骨を増やす方法として、GBR(骨再生誘導法)や、上顎洞の底を持ち上げるソケットリフト・サイナスリフトを検討することがあります3。処置の日・術後確認・骨が育つまでの待機が予定に加わるため、実施の可否や期間は担当医に確かめてください。


骨移植に伴う痛みや腫れには個人差があり、処置の範囲でも変わります。術後に休みを取る日も、この段階で一緒に聞いておくと予定を組み直しやすくなります。


歯周病や全身の状態があるときは先に何を整える?


歯周病やむし歯がある場合は、インプラントの前にその治療を進めるのが一般的です。歯ぐきの炎症が残っている場合は、埋入後のインプラント周囲炎(インプラントの周りの歯ぐきや骨の炎症)への影響も含めて医師にご相談ください。


糖尿病などの持病や喫煙習慣も、治りの見通しや経過観察の間隔に関わります。事前治療で来院がどれだけ増えるか、行事までにどの段階まで進められるかは、個別に尋ねてみてください。


手術当日の人工歯装着は、誰でも選べる方法ではない


手術当日に人工歯を装着できる症例もありますが、症例の選択が難しく、術者の経験と技術が必要な治療です4。すぐに噛む力をかける方法と待ってからかける方法を比べた研究でも、条件を選んだうえで検討されています5。


当日に歯が入っても、術後の確認や最終的な人工歯への交換のための来院は続きます。当院への相談に限らず、歯科用CTと口腔内スキャナーの情報を統合し、埋入位置を案内する器具(サージカルガイド)づくりに役立てる場合がありますが、これは回数の短縮を約束するものではありません2。


仕事や家族の予定と両立するために確認したいこと


勤務表が月ごとに決まる方は、相談の時点で「休む可能性がある日」と「動かせない予定」を担当医と共有しておくと、計画を立てやすくなります。


シフトを空ける候補日は、手術・術後診察・型取りに分ける


休みを確保したい日は、手術、術後の診察、型取りや装着の三つに分けて考えると整理しやすくなります。手術日は所要時間に加えて翌日の働き方を、術後診察や型取りは短時間で終わるかどうかを確認しておきましょう。


結婚式のように動かしにくい予定は、相談の最初に伝えてください。たとえば7ヵ月先の行事なら、治癒期間を含めてどの段階まで進められそうか、仮歯で当日を迎える可能性があるかを一緒に逆算できます5。


ポイント

休みの候補日は手術当日だけでなく、術後の診察と型取りの日まで含めて数えておきましょう。


予定変更や治療の中断が生じたら、何を再確認する?


予約の変更や転院で間が空いた場合は、治りの経過や人工歯づくりの段階に応じて、再度の診査や計画の見直しが必要になることがあります。治癒の途中か、型取りを終えたあとかで確認する内容は変わるため、空いた期間を伝えてください。


歯のない期間が長くなると顔つきが変わるのでは、と心配される方もいますが、奥歯が1本ないことだけで変化が決まるわけではありません。予定上どうしても進めにくい時期があれば、入れ歯やブリッジも含めて進め方を相談できます。


医院を選ぶときは、通院計画と費用の範囲を同じ項目で聞く


歯医者を探す場合も、他の医療機関を含めて検討する場合も、検査・仮歯・骨造成・術後の診察・定期管理が提示内容に含まれるかを各院で同じ項目として確認すると見比べやすくなります。奥歯の治療費も、本数だけでなく骨造成の有無や人工歯の支え方で変わります。


インプラントは自由診療(公的医療保険が適用されない診療)です。インプラント1本あたりの総額(検査・埋入手術・人工歯を含む)は医療機関や処置内容で異なり、骨造成が必要な場合は追加費用が生じることがあります。治療期間や来院回数も、上顎の処置や骨造成の有無、骨の状態によって一人ひとり異なります。具体的な見通しは医師にご相談ください。実際の費用は医療機関により異なります。当院の費用は診察のうえでご案内します。


医療費控除は、年収600万円の方でも、その年に支払った医療費の総額などで扱いが変わります。セルフメディケーション税制とは選択制の別制度で、生命保険の給付は契約内容次第です。詳しくは税務署や保険会社にご確認ください。


相談で聞く質問を持参し、装着後の定期管理まで見通す


相談には、次のような質問をメモして持参すると、限られた時間でも自分の予定に落とし込めます。


  • 私の場合、相談から人工歯の装着まで何回・何ヵ月か
  • 骨造成や事前治療が必要になる可能性はあるか
  • 仕事を休む候補日はいつか、翌日の勤務に影響はあるか
  • 予約が延びた場合、どの段階なら影響が小さいか

人工歯の装着後も、歯みがきのしやすさや歯ぐきの状態を確かめる定期管理が続きます。当院への相談に限らず、担当医に希望を伝え、計画について話し合うことが大切です。入れ歯やブリッジを候補に残したままでも、勤務表と家族の予定表を手元に置いて、遠慮なくご相談ください。


よくある質問


Q. インプラントの期間はどのくらいですか?


A. 相談から人工歯の装着までの期間は、骨の状態や処置内容によって一人ひとり異なります。骨造成や抜歯後の治癒待ちがある場合は、さらに期間が延びることがあります。詳しい期間は診査のうえで担当医が判断します。


Q. 上顎のインプラントは難しいですか?


A. 上顎は骨がやわらかめで上顎洞が近いため、骨の高さなどを歯科用CTで確認して判断します。骨が足りない場合はソケットリフトやサイナスリフトを検討することがあり、難しさは一人ひとり異なります。


Q. インプラントの骨移植は痛いですか?


A. 処置は麻酔を使って行い、術後に痛みが出た場合は痛み止めが処方されます。腫れや痛みの程度は処置の範囲や体質で変わるため、術後の過ごし方とあわせて担当医にご確認ください。不安が強い方は、静脈内鎮静法を検討できる場合もあります。


Q. 夜間の勤務がある仕事でも治療は進められますか?


A. 夜間勤務があっても治療を検討することはできます。手術後は体を休めやすい日程を選ぶと負担を抑えやすいため、勤務の時間帯を伝えて予約日を相談してください。


Q. インプラント治療は生命保険の給付対象になりますか?


A. 加入している保険の契約内容によって異なります。手術給付金の対象になるかどうかは、保険会社にお問い合わせください。


参考文献


1. Yu X, Teng F, Zhao A, et al. Effects of post-extraction alveolar ridge preservation versus immediate implant placement: A systematic review and meta-analysis. The Journal of Evidence-Based Dental Practice. 2022. PMID: 36162892 / DOI: 10.1016/j.jebdp.2022.101734

2. Romandini M, Ruales-Carrera E, Sadilina S, et al. Minimal invasiveness at dental implant placement: A systematic review with meta-analyses on flapless fully guided surgery. Periodontology 2000. 2023. PMID: 35906928 / DOI: 10.1111/prd.12440

3. インプラント. https://www.shiga-med.ac.jp/~hqoral/implant.html

4. よくあるご質問 | 公益社団法人日本口腔インプラント学会. https://www.shika-implant.org/min-implant/faq/

5. Chen J, Cai M, Yang J, et al. Immediate versus early or conventional loading dental implants with fixed prostheses: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled clinical trials. The Journal of Prosthetic Dentistry. 2019. PMID: 31421892 / DOI: 10.1016/j.prosdent.2019.05.013


山本 修平

歯科医師


やまもと歯科・矯正歯科

院長

山本 修平

▶ 監修者プロフィール

経歴
1985年 たつの市御津町生まれ
1998年 御津小学校 卒業
2001年 御津中学校 卒業
2004年 龍野高校 卒業
2011年 大阪歯科大学 卒業
2011年 阪歯科大学附属病院 歯内療法科
2012年 医療法人小室会 小室歯科 天王寺ステーションビル診療所 勤務
2018年 同診療所 医長 副院長 就任
2019年 やまもと歯科・矯正歯科 リニューアル開院
資格・所属学会
日本口腔インプラント学会
日本顎咬合学会
日本歯周病学会
日本補綴歯科学会
日本矯正歯科学会
日本アライナー矯正歯科研究会