喫煙とインプラント治療の関係とは?喫煙のリスクや禁煙期間について
2024/07/23


喫煙は、体の健康全般に悪影響を及ぼし、口腔内の健康にも大きく関わっています。特に、インプラント治療においては、喫煙がさまざまな問題を引き起こすことが分かっています。

しかし、喫煙習慣がありながらもインプラント治療を受けたいと考えている人もいるでしょう。

そこでこの記事では、喫煙がインプラントにどのような悪影響を及ぼすのか、そして喫煙者でもインプラント治療を受けられる可能性について解説します。

インプラント治療をしたいけど喫煙習慣があって治療を受けられるか不安という方は、ぜひ最後までご覧ください。

喫煙者でもインプラント治療はできる?

喫煙者でもインプラント治療を受けることは可能ですが、特別な配慮や対策が必要となります。

そのため喫煙者がインプラント治療を検討する際には、事前にリスクを理解し、歯科医師と綿密な計画を立てることが重要です。

なお、1日に21本以上(一箱以上)吸う習慣がある、いわゆるヘビースモーカーの方は、治療を断られる可能性があります。

インプラント治療における喫煙のリスク

喫煙者がインプラント治療すると、以下のようなリスクが高まります。

  • 手術失敗の可能性が高まる
  • インプラント周囲炎になりやすくなる
  • 安定性が低下する
  • インプラント保証の対象外となる

それぞれ解説します。

手術失敗の可能性が高まる

タバコに含まれるニコチンは、血流を悪くし免疫力を低下させます。血流が悪くなると血液や酸素が十分に供給されません。結果としてインプラントと顎の骨が結合しにくくなり、手術が失敗する可能性が高まるのです。

実際に、喫煙者のインプラント失敗率は高いことが報告されています。たとえば、喫煙が歯周組織に与える影響についての調査によると、非喫煙者のインプラント失敗率は2%であるのに対し、喫煙者はその2倍の4%です。また、合併症の発生率も、非喫煙者の31%に対し、喫煙者では46%と大幅に高くなっています。

インプラント周囲炎になりやすくなる

インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの組織が炎症を起こし、骨が溶けていく症状のことです。

喫煙者はニコチンなどの影響で免疫力が低下しているため、細菌感染症にかかりやすくなります。その結果、インプラントの周囲炎になるリスクも高くなるのです。

さらに、ニコチンには唾液の分泌を抑制する作用もあるため、余計に菌が増殖しやすい環境となります。

安定性が低下する

喫煙は、インプラントの長期的な安定性に大きな影響を及ぼします。

喫煙によって体内に取り込まれるニコチンなどの有害物質は、インプラントと顎の骨の結合を弱めてしまいます。そのため、インプラントがグラグラと不安定になり、しっかりと噛めなくなるのです。安定性がないと、脱落する可能性も高まります。

インプラント保証の対象外となる

インプラント治療には多くの場合、保証制度が設けられています。これは、保証期間内にインプラントに何らかのトラブルが発生した際に、無料または一部負担で再治療を受けられる制度です。

しかし、どんな場合でも保証されるわけではありません。適切なメンテナンスを受けていた上でのトラブルは保証してくれますが、その原因が喫煙の場合は対象外となる可能性が高いです。

実際、喫煙者への保証を制限している医療機関もあります。

唾液の分泌量が減り口内トラブルのリスクが増える

喫煙は唾液の分泌量を減少させます。唾液には、口内の汚れを洗い流し、酸を中和し、歯を修復する成分が含まれています。唾液が減少すると、これらの作用が弱まることで口内に細菌が増殖しやすくなり、天然歯の虫歯や歯周病リスクも高まるのです。

免疫力が低下する

タバコに含まれるニコチンや有害物質は免疫力を低下させます。免疫力が低下すると、術後の傷がなかなか治らず、その間に細菌感染のリスクが高まります。喫煙だけでなくストレスによっても免疫力は落ちるため、術後のトラブルが発生しやすくなるでしょう。

インプラント治療後も禁煙を継続するべき?

インプラント治療期間中は禁煙を守れても、治療完了後に喫煙したくなる患者さんは少なくありません。しかし、インプラント治療後の喫煙は、インプラント周囲炎や口内トラブルが起こる可能性を高めるだけでなく、ぐらつきや脱落などインプラント寿命を短くするリスクもあります。

インプラントの長期的な安定性と快適な使用を確保するためには、治療後も継続的な禁煙が不可欠です。

インプラントと喫煙に関するよくある質問

インプラントと喫煙に関するよくある質問をご紹介します。

いつから禁煙する必要がありますか?

最低でも手術予定日の2〜3週間前には禁煙していただきます。禁煙しようと思ってもなかなかすぐにはできない場合もあるので、1〜2ヶ月前から取り組みをしておくとよいでしょう。

インプラント治療が終われば喫煙できますか?

術後はインプラントと骨をしっかりと結合させるため、2〜3週間は禁煙する必要があります。その後の喫煙の判断は個人に委ねられるところではありますが、インプラント周囲炎や早期脱落などのリスクが高まるため、推奨されません。長期間インプラントを使い続けるためにも、そのまま禁煙することをおすすめします。

加熱式タバコや電子タバコならインプラント治療中も吸っていいですか?

加熱式タバコや電子タバコであっても、インプラント治療を決めたのであれば禁煙しなければなりません。たとえニコチンフリーの電子タバコであっても、その他の有害物質が含まれているため、紙タバコ同様に禁煙が必要です。

日本口腔インプラント学会からも、加熱式タバコや電子タバコの注意喚起がされています。リスクを軽減するためにも、タバコの種類に関わらず治療前後は禁煙をしましょう。

まとめ

喫煙者でもインプラント治療は可能です。しかし、喫煙は治療にさまざまな悪影響を及ぼすため、インプラント治療を受けるのであれば禁煙することが推奨されます。今回ご紹介した喫煙によるさまざまなリスクは、患者さん自身の負担が大きく増えることになります。後悔しないためにも、今のうちから喫煙習慣を見直してみましょう。

やまもと歯科・矯正歯科では、経験豊富な医師が最新設備によって、患者様一人一人の状態に合わせた適切なインプラント治療が可能です。インプラントに関するご相談も無料で承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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